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オーバートレーニング症候群に気をつけて筋トレしましょう

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オーバートレーニング症候群

オーバートレーニングとは体が十分に回復していないのにも関わらず、過度なボリュームや強度の筋力トレーニング(以下、筋トレという)を行った結果、体が回復や適応できなくなった状態を表した筋トレ用語のことである。

 

いつものスポーツジム。

 

ベンチに仰向けになった私は、バーベルのシャフトを握った。

そして鼻から息を吸い込んで胸を張り力を籠める。

 

 

 

「ふんっ、があっ!」

 

私は吠えた。

 

しかしバーベルは、ほんの少ししか持ち上がらない。

 

いつもならスッと持ち上がるはずなのだが。

 

むむむ、バーベルめ私を試そうとしておるのか?

 

こしゃくな。

 

この私を試すとは10万年早いわ。

 

「ふんっ、があっ!」

 

さらに力を籠めるがバーベルは微動だにしない。

 

な、なぜだ?

 

私はバーベルにすら勝てないのか?

 

「ふんっ、があっ」

 

「どうしたんですか、何度も大きな声を出して? ねえ、魔王さん?」

 

私の声を聞いたトレーナーの青年——有佐龍人——が近寄ってきた。

 

「こいつが持ち上がらないのだ。ふんっがあっ!」

 

「ふむ。魔王さん、バーベルを一度下しましょうか?」

 

青年は私の枕元に立つと、私がバーベルを下すのを手伝ってくれた。

 

 

 

この物語は、地球のどこかにある町に落ち延びた、肥満体型の魔王が魔界を奪還するために少しずつ減量する様子を描いたコメディである。

オーバートレーニング

「ふう」

 

バーベルを置くなり私は大きく息を吐いた。

 

「魔王さん、僕に隠れて筋トレしているでしょう?」

 

「な、何のことだ? 私は知らんぞ」

 

「ふうん」

 

そう言い目を細めて青年は私を見る。

 

どうやら青年は私を疑っているようだ。

 

理由は分からんが、こっそり筋トレしているのがバレているらしい。

 

しかし、なぜバレたんだ?

 

「もう一度だけ聞きますよ? ほんとうに僕に隠れて筋トレしていませんか?」

 

「くどい! しておらんものは、しておらん」

 

私は腕を組み、嘘がバレないようにそっぽを向いた。

 

「そうですか。疑って申し訳ありませんでした」

 

「うむ、分かればよろしい。ところで隠れて筋トレすると何かあるのか、青年?」

 

どうやら嘘はバレていないらしい。

 

「ああ、それはですねえ、むやみやたらに筋トレすると体に異変が起こって、大変なことになるんですよ。酷い場合は魔界奪還なんて——

 

「魔界奪還なんて何だ?」

 

「あ、いや何でもありません。気にしないでください。隠れて筋トレしてないなら関係ありませんから。大丈夫。心配しないでください。ハハハ」

 

いやいや教えてくれ!

 

そんな言い方されたら気になって仕方ないじゃないか!

 

しかし嘘を言った手前、今さら「ごめんねえ、さっきの嘘なんだ。隠れて筋トレしたら、どうなるのう?エヘッ」なんて口が裂けても言えない。

 

困った。

 

困ったぞ!

 

「それにしても良かったです、魔王さんが隠れて筋トレしてなくて。安心しました」

 

なぜか笑顔になった青年はさらに続けた。

 

 「実はむやみやたら筋トレすると、オーバートレーニングっていう状態になるんですよ」

 

説明しよう。

オーバートレーニングとは体が十分に回復していないのにも関わらず、過度なボリュームや強度の筋力トレを行った結果、体が回復や適応できなくなった状態を表した筋トレ用語のことである。

専門的に言えば、一連のストレスにより回復のサイクルを乱し、パフォーマンスが回復しない状態をいう。

 

「オーバートレーニングか。そうか、それでいつもなら持ち上げられる重さのバーベルが、全然持ち上がらなかったんだな」

 

「そういうことです。だから隠れて筋トレしないでくださいね、魔王さん?」

 

「うむ、もう隠れて筋トレをしないでおこう」

 

ああ、しまった!

 

青年の発言につられて口が滑った!

 

「でないと不本意ですけどファスティングしてもらいますよ? いいですね?」

 

そう笑顔で言う青年の目は鋭く光っていた。

筋トレするうえでオーバートレーニングを知らないと豪い目に合う

「それにオーバートレーニングを知らないまま筋トレをすることはオススメできません」

 

「ほう、なぜだ? 申してみろ」

 

「はい。実はオーバートレーニングを知らないまま筋トレをすすると、いずれ日常生活に支障をきたしてしまうんですよ。例えば睡眠障害や慢性的な倦怠感、食欲不振などになってしまいます」

 

「食欲が減るのであればいいではないか」

 

「そう思うかもしれませんけど、それは大きな間違いです。食欲が減ると遅かれ早かれ体調を崩しますし、痩せたとしても太りやすい体になってしまいますからね」

 

「うむ。それは困るな」

 

「このように筋トレをするうえで、オーバートレーニングを知らないということはとても危険なことなんですよ」

 

「分かった。オーバートレーニングにならないように気をつけよう」

 

注意

オーバートレーニングによる日常生活にきたす支障

  • 著しいパフォーマンスの低下
  • 気分が異常に不安定になる
  • 睡眠障害
  • 体重の減少
  • 慢性的に痛みが悪化する
  • 慢性的な心拍数の増加
  • 食欲が低下する

オーバートレーニングの目安

「よし、バーベルが持ち上がらないときはオーバートレーニングなのだな? これでオーバートレーニングなど恐るるに足らずだ! わあっはっはっはあ」

 

「魔王さん、待ってください。それだけではないんですよ、オーバートレーニングだと判断できる目安は他にもあるんです」

 

青年は説明を始めた。

 

あらためて説明しよう!

オーバートレーニングによって、日常生活に支障をきたさないようにするためには下記に気を配っておく必要がある。

もしも下記に当てはまることが多いようであれば、オーバートレーニングに陥っていると考えられるので、思い切って筋トレを休むかディロードを取り入れよう。

  • いつもより疲れている
  • 錘が重く感じる
  • 関節の痛みがひかない
  • 筋肉痛が治りにくい
  • よく眠れない
  • 極端に体重が減少した

 

「ほう、色々あるのだな? 極端に体重が減るのもオーバートレーニングとはな?」

 

「そうですね。ほとんど人は「体重が減った」と喜んで筋トレのボリュームを増やすと思うんですが、それはしない方がいいですね。極端に体重が減少したときほど、何が原因なのか見極めないといけません。そうしないと、どんどん体を痛めつけることになりますからね。それに筋トレもできなくなりますし」

 

「それは困るな」

 

まるまると肥えて存在を主張する腹に私は両手で触った。

 

「つまり筋トレが体にいいからと言って、やりすぎるのは良くないってことです」

 

「魔王さんなら分かりますよね」と言わんばかりに青年は私を見た。

オーバートレーニングを回復する方法

「青年よ、それでオーバートレーニングは、どうすれば治るのだ?」

 

私は青年に尋ねた。

 

「オーバートレーニングに陥った場合、しばらく筋トレを休んで体を休めることに専念する方がいいですね」

 

「どのくらいだ?」

 

「オーバートレーニングの回復は期間は、人それぞれなのではっきり言えません。なぜならオーバートレーニングの回復期間は、オーバートレーニングを続けた期間やトレーニーのレベルに左右されるからなんです。例えば筋トレ初心者の方の回復期間は比較的短いのですが、上級者の回復期間は長くなるのです。つまり、オーバートレーニングの回復期間は一定ではありません」

 

「それはまことか?」

 

「はい、まことです」

 

「はあ、なんてことだ。身から出た錆とは言え、しばらく筋トレができないのか……王座奪還が遠退いてしまうな」

 

再び両手で肥えた腹を触った。

 

「どうしても筋トレを休むことに抵抗があるなら、トレーニングの負荷をグッと下げるといいですよ」

 

「それはまことか?」

 

「はい、まことです。それでは筋トレを再開しましょう!」

 

memo

補足しよう。

筋トレ初級者は48から96時間を回復期間の目安にするといいだろう。

この間にパフォーマンスが回復しないなら、さらに48から96時間休むべきだ。

なお1サイクル数週間かけて筋トレしている場合は、その1サイクル分を回復期間の目安にするといい。

それでもオーバートレーニングが回復しないようであれば、もう1サイクル分休もう。

まとめ

memo

オーバートレーニングとは体が十分に回復していないのにも関わらず、過度なボリュームや強度の筋力トレを行った結果、体が回復や適応できなくなった状態を表した筋トレ用語のことである。

 

オーバートレーニングになると下記のような異常が発生する。

 

  1. 著しいパフォーマンスの低下
  2. 気分が異常に不安定になる
  3. 睡眠障害
  4. 体重の減少
  5. 慢性的に痛みが悪化する
  6. 慢性的な心拍数の増加
  7. 食欲が低下する

 

オーバートレーニングの目安は下記のとおり。

 

  1. いつもより疲れている
  2. 錘が重く感じる
  3. 関節の痛みがひかない
  4. 筋肉痛が治りにくい
  5. よく眠れない
  6. 極端に体重が減少した

 

オーバートレーニングになったときは、しばらく筋トレを休んで体を休めることに専念すること。

 

日課になっている筋トレ記録に私はオーバートレーニングについて書き留めた。

 

よし、これでまた一歩、王座奪還に近づいたぞ! 

 

それにしてもオーバートレーニング。

 

最初は恐ろしいものかと思ったが、正体が分かればなんてことはないものだったな。

 

ようは常に体と対話しておれば、オーバートレーニングなんてなんら問題のないものだ。

 

しかし、体の様子に気をつけず油断すると、たちまちオーバートレーニングになる。

 

まるで——

 

ふん、お節介な奴だ。

 

青年の手抜かりのなさに思わず私の顔がほこんだ。

 

 

ナレーション:筋トレがよくわかるブログを書いている朝比奈宗平